インナーバッフルボードとは、ドアにスピーカーを取りつける際に使用する部品のことをいいます。材質にはMDF合板や桜合板などがポピュラーとされ、中にはアルミニウムや大理石を素材としたものもあります。
インナーバッフルボードを取りつける場合の用途は大きく分けて2つ。
一つは純正スピーカーから社外スピーカーに交換する場合と、もう一つはインナーバッフルボードを使い、取りつけ剛性を高め、音質を改善したい場合です。最近の純正スピーカーはインナーバッフルボードと一体設計となっており、スピーカーを取り外すと、土台(バッフル)も全て取り払われてしまうのでインナーバッフルボードなしではまず取り付けは不可能です。そのまま取りつける場合はボディの加工等が必要になってしまいます。
そのため、インナーバッフルボードは取り払われた純正の土台の代わりを補い、ボディの穴をそのまま流用できるため、一部の車種を除き、ほぼボルトオンで装着可能ができます。
また、スピーカーには真円と楕円形が存在します。ハリアーやアルファードなど、一部の純正スピーカーは楕円形が使われており、真円が多く使われている現在ではバリエーションの希薄に困ることも多々あると思います。
そういう悩みもインナーバッフルボードを使うことで真円に変更できる為、スピーカーのバリエーションも増えます。
インナーバッフルボードを装着するとなぜ音が良くなるのか?
インナーバッフルボードは密度が高い剛性のある素材を使用しているので、大音量にした際、スピーカーから伝わる振動をボディーに伝わりにくくする働きがあります。
「音が割れる」「ビビる」このような症状は、ほとんどがドア周りの剛性不足で起こるスピーカーの振動によるドアのキシミです。実際、片方だけインナーバッフルを装着した車に乗り、音量を上げた際の出音は全く違います。
このことからインナーバッフルボードは社外スピーカーの交換手段でもあり、スピーカーの音をを最大限に引き出す為のチューニング手法とも言えます。
なぜ、様々な材質があるのか?
先ほども述べたように、インナーバッフルボードには様々な材質のものがあります。木材でできたものは適度に音圧を吸収し、温かみのある音質になりますし、鉄や石などでできたインナーバッフルボードは硬さがゆえにレスポンスのいい、硬く、タイトな音質になります。
これらは好みが分かれるところですが、楽器に木材が使われることを考えると、木材でのインナーバッフルボードが現在の主流となっているのは間違いありません。